マーケティング

【マーケティングの基本_第二回】マーケティングコンセプトの変遷

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こんにちは。中小企業診断士の富樫です。

前回から【マーケティングの基本シリーズ】ということで、マーケティングの考え方やプロセスなど基本的な部分について書いています。

前回は【マーケティングの基本_第一回】、「マーケティングって何?」について書きました。

【マーケティングの基本_第一回】マーケティングって何?

こんにちは。中小企業診断士の富樫です。 本ブログをご覧いただき、ありがとうございます。 前回までは中小企業診断士の概要や私の勉強方法など書きました。 今回からは【マーケティングの基本シリーズ】というこ ...

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前回の「マーケティングって何?」では、

マーケティング=お客様に買ってもらってご満足頂く事&その為の仕組み作り・アクション

その為に、(世間一般で言う)マーケティング部門だけではなく他部署も含めてアクションしていく、と説明しました。

では、実際の企業活動の中でどのようなアクションをしていくと良いのでしょうか?

ということで。今回は【マーケティングの基本シリーズ】第二回。

テーマは

「マーケティングコンセプトの変遷」

についてです。

マーケティングコンセプト(マーケティングの基本的な考え方)の変遷を知る事で、マーケティングのプロセスをより深く理解することができ、実際のアクションにつながっていくと思います。

マーケティングって何?な貴方。

よくよく考えてみるとマーケティングって何だっけ?な貴方。

この機会に一緒にマーケティングについて学び、考えてみましょう。

こんな方におすすめ

  • マーケティングが何か分からない方
  • マーケティングについて改めて考えたい方
  • 企業・組織に属する全ての方

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マーケティングコンセプトの変遷

マーケティングコンセプト(基本的な考え方)は時代とともに変化しています。

これまでに登場した主要なマーケティングコンセプトを時系列に並べると、このようになります。

それでは、それぞれのマーケティングコンセプトの概要をみてみましょう。

生産志向

生産指向とは「需要が供給を上回っていた時代」のマーケティングコンセプトです。

生産指向の基本的な考え方は「はじめに製品ありき」です。

この場合、企業側はいかに生産性を高めて効率よく製品を生産するか?ということが中心的な課題になります。

「需要>共有」の為、「作れば売れる。」という時代には適した考え方だと思います。

製品志向

製品志向とは、企業が製品やサービスの調達・開発・提供・販売を行う際、企業の有する技術や優位性などを基本にそれらの事業活動に取り込んでいく考え方、作ったものを売るという考え方です。

「製品志向」も「生産指向」に近しい考え方、「作れば売れる。」という考え方に近いと思います。

「製品志向」は、生産者・販売者が市場(マーケット)のニーズを誤って判断して、市場(マーケット)が気に入らなかったり、別のものを求めていることに気づかない「近視眼的マーケティング(マーケティングマイオピア)」に陥ることがある、とも言われます。

販売志向

販売指向とは、標準化された製品を大量生産することが可能になった段階での考え方になります。

企業がもっている技術を生かした製品を生産、市場でその是非を問う「プロダクトアウト」が基礎になる考え方です。

大量生産した製品を大量に販売する市場を開拓することが必要になる為、販売促進活動が重要になります。

但し、ドラッカーは「マーケティングの究極の目的はセリング(押し売り)を不要にすること」と述べており、販売指向の限界を指摘しています。

マーケティング志向(顧客志向)

マーケティング志向(顧客志向)は、「供給>需要」、競争が激化した成熟市場におけるマーケティングコンセプトです。

ここでは、市場(マーケット)のニーズを探り、そのニーズを満たす製品を開発して市場(マーケット)に送り出す、「マーケットイン」が基礎になる考え方です。

社会志向

社会志向とは、企業の利潤増大だけでなく、社会全体に与える影響も考慮しなければならない、という考え方です。

いくら市場(マーケット)にマッチした製品であっても、それが社会、地球環境に対して悪影響を及ぼす場合、企業はその製品の生産・販売を行わないべきであるという考え方です。

まとめ

今回は【マーケティングの基本シリーズ】第二回ということで、「マーケティングコンセプトの変遷」について書いてみました。

マーケティングコンセプトは、「需要>供給」時代から成熟社会の「供給>需要」時代への移り変わりとともに、

「(需要>供給)作れば売れる、いかに良いものを作るか?」

→「大量生産したものを、いかにうまく売るか?(プロダクトアウト)」

→「(供給>需要)消費者のニーズを捉え、ニーズを満たす製品を市場に送り出す(マーケットイン)」

と移り変わってきています。

個人的には「マーケティング志向・マーケットインの考え方が必ず正しい」というわけではないケースもあると思います。

ターゲットとする市場によっては「需要>供給」の状況、ブランド価値が高くファンも多い状況、他社が模倣できない製品開発に成功し市場に受け入れられた状況、などであればマーケットインの考え方と併せて「販売指向(大量生産、いかにうまく売るか?)・プロダクトアウト」の考え方も取り入れてアプローチした方が良いケースもあるかと思います。

ただし、何れにしても、良いものを大量生産すれば売れるという時代は過ぎ、

「マーケティング志向(消費者(市場)のニーズをしっかりと捉えること)」

は極めて重要、マーケティング戦略策定の際には欠かせない、ということをご理解ください。

また、近年は「社会志向(社会全体(環境など)に与える影響を考慮)」も欠かせない要素となります。

現代社会では、この2点(マーケティング志向、社会志向)を踏まえて、マーケティング戦略策定・アクションしていくことが重要となります。まずはこの点をしっかりと理解してください。

今回の「マーケティングコンセプトの変遷」については以上となります。

マーケティングコンセプトの変遷を把握したので、次回の【マーケティングの基本シリーズ】第三回からは実際にマーケティング戦略策定・アクションしていく為の「マーケティングプロセス」について書いていきたいと思います。

プロセスを把握すれば、各部署毎のやるべき事、自分自身がやるべき事、のイメージも沸きやすくなると思います。

また、マーケティングのプロセスをしっかりと把握すれば仕事は楽しくなると思いますし、仕事の成果も上がると思います。(少なくとも私はそうでした。)

この機会に是非一緒にマーケティングについて考えてみましょう。

それでは。最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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